私はデザインについて専門的に勉強をしたわけではないけれど、デザインについて興味はある。どちらかというとすごくある。なので専門的に勉強はしていないけれど、ちょこちょこと本を読んだり、ネットでデザインについて記事などを読んできたりはしてきた。
そんなわけで、たまに身の回りのもののデザインが気になったりすることがある。
いったいいつ頃からデザインに興味を持つようになったのか、ちょっと考えてみたのだけれど、はっきりしたことは思い出せない。
打楽卒業後、今で言うIT系の会社に就職した私は、ある日Macのアプリ制作(といってもパッケージソフトのようなものではなく、一点ものの専用アプリ)をすることになり、本格的にMacを触るようになった。そして、そのデザインや理念が好きになり、当時30万円くらい出してPowerbook 165cを買ってしまった。それからかれこれ20年以上、個人のメインマシンはMacを使ってきた。おそらくはこのあたりから、デザインというものにも興味を本格的に持ち始めたのではないかと思う。
そんな中で、私が非常に面白いなと思いながら読んだのが以下の本だった。

誰のためのデザイン? 増補・改訂版 ―認知科学者のデザイン原論
- 作者: D. A.ノーマン,岡本明,安村通晃,伊賀聡一郎,野島久雄
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2015/04/23
- メディア: 単行本
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(正確には私は「改訂版」ではなく、改定される前の版を読んだ)
この中で説明されていた「アフォーダンス」という考え方は、私にデザインのおもしろさを教えてくれた。
今、「アフォーダンス」についての説明を書こうかと思ってちょっと検索したところ、上記の「誰のためのデザイン?」の改訂版をもとにした解説を行っているブログがあったので、そちらを紹介しておく。興味のある方は読んでみてほしい。
で、最近特に気になっているのが、冒頭の写真。とあるショッピングモールの男子トイレにあるペーパータオルディスペンサー。(中央の銀色の部分)
写真を見ただけでもおわかりいただけると思うけれど、上部にペーパータオルがセットされていて、ここからペーパータオルを取る。その下に2つに分割された口があり、そこがゴミ箱(ペーパータオルを捨てるところ)になっている。
これを見たとき、なんでゴミ箱のところが2つに分割されているだろうか?とちょっと疑問に思ったのだけれど、入れすぎないようにとか(そんなふうに実際には働かないと思うけれど)単なる格好付けとかかなくらいに考えていた。ところがある日、(私にとっては)衝撃の事実を知ることになった。
ある日このトイレに入ったところ、下の口のそばに紙(と言ってもペーパータオル)が貼り付けられていた。それにはこう書かれていた。
↑ Hand dryer
!!はんどどらいやぁ!?
半信半疑で手を入れてみると…ごーっという音とともに温風が!
ニュージーランドのトイレにはほとんどのところにハンドドライヤーが設置されているのに、珍しくここにはないなぁと思っていた。ところが、実はここに設置されていたらしい。
いや、これはわからないでしょう。おそらくこの紙がなければ永久にわからなかったんじゃなかろか。
翌日にはこの紙は取られており、写真のようになっている。何度も利用しているが、ハンドドライヤーを利用している人を、私は未だに見たことがない。
そんなこんなで、このトイレを利用するたびに、あぁこのペーパータオルディスペンサーのデザインって、よくないよなぁ…と思いながら、自分は知っているんだぜという優越感とともに、毎回ハンドドライヤーを使っている。