羊男のモンタージュ

写真と、ラグビーと、ニュージーランドと。

日本のサマータイム騒動に思う

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ここ数日、日本でサマータイム制を導入するかもというニュースが出ていますね。はてなブックマークでもサマータイム関連のニュースが良くあがってきます。ブックマークのコメントなどを見ていると、どうもサマータイムを誤解しているのでは?という意見を見かけたりします。

www3.nhk.or.jp

 

この中でなんたら研究所の主任エコノミストという人がこんなことを言っています。

「会社の始業や就業が早まって余暇が確保できれば、趣味や飲食に充てる時間が増えて年間5000億円くらい個人消費が伸びるという見方もあります」

何言ってるんだ?という感じ。サマータイムでは始業や就業は早まりません。

サマータイムでは標準時をずらすので、例えば9:00-18:00という始業/就業時間の会社があった場合、その会社の始業/就業時間は9:00-18:00です。(その会社がサマータイム中だけ始業/就業時間を変更するなら別ですが)

また、はてなブックマークのコメントで導入されれば博物館が開いている時間に会社が終わるから良いというコメントを見ましたが、そんなこともありません。そも博物館がサマータイム中は閉館時間を遅くするなら別ですが。

暮らしている人からすれば日の出、日の入りの時間が遅くなる、つまりサマータイムがなかったら20:00頃に暗くなるのに(1時間ずらすのであれば)21:00頃に暗くなるというだけです。

以下の記事がとてもよくまとまっていますので、上の説明に?と思う方は是非読んでみて下さい。

 

lastline.hatenablog.com

 

以前、観光ガイドをしていた際、サマータイム(デイライトセービング)の説明をしたところ、子供の頃に戦後日本で導入されたサマータイムを経験したというお客様がいました。その方のお家は農家で、夏場は手伝いをしていた(させられていた)そうで、日の出ているうちは仕事をしなければならなかったので 働く時間が伸びただけだったと仰っていました。ニュージーランドでは明るかろうが暗かろうが、時間が来たら仕事は終わりというのが基本なので、デイライトセービングで明るい時間が伸びると多くの人がそその時間で公園に行ったりとアウトドアの遊びを楽しみます。日本でもサマータイムの恩恵を受けるには、就業時間で仕事は終わりという働き方が定着しないと意味がないのでは?と思います。それに今の日本の夏はかなり暑いようなので、仮にみんな仕事をきちんと終わったとしても、暑くて外で楽しむような気にならないかもしれませんね。

 

そんな根本的に日本でサマータイムが意味があるのか?とかいう以前に、オリンピックの暑さ対策だとか、2年限定だとか(これはやるなら恒久的という話が出たようですが)、他国でも見られない2時間ずらしとか、思い付きでやろうとしてる?としか思えない感じがひどい。しかもいま検討して来年からとか正気の沙汰とは思えない。

 

さらに、おり、オリンピックって言ってるけど、サマータイムの期間によってはラグビーワールドカップにも影響でるんんだけど、大丈夫なの?いや、大丈夫じゃないでしょう?

 

と、いうことで是非変なことはやめていただきたいと思う今日この頃です。