ニュージーランドにいるとなかなか日本映画を観る機会がありません。なので、その作品の良し悪しはともかく、日本映画があるとちょっと観てみてみたくなってしまうのです。
Netflixでも日本の作品が観られるのですが、Netflixオリジナル作品以外で観られる日本映画ってほとんどないんですよね。あ、アニメ映画はそこそこあるかな?
そんなわけで「そんなにすごく観たいということもないけど、せっかくNetflixで観られるならとりあえず観てみるか」くらいの感じで観たのがこの「鋼の錬金術師」でした。
「鋼の錬金術師」については、人気マンガであること、何やら弟の体を取り戻すために兄弟が旅をする物語らしい、くらいの事前知識はありましたが、マンガは未読、ストーリーなどもあまり細かく調べることもなく観てみました。
結論から言うと、それなりに楽しめた…という感じです。
この作品の舞台は「錬金術」が使える世界。この設定がなかなかおもしろい。作品中でも語られますが、錬金術は魔法ではなく、「等価交換の原則」に支配されているとのこと。つまり、魔法のように無から何かを生み出すことはできず、あくまであるものの性質を変化させて別のものにする(ことしかできない)のです。杖をふれば何でもできちゃう魔法学校とはちょっと違う、ちょっとSF寄りのこの設定は、SF好きの私の琴線に触れました。
それと、大泉洋がなかなかに重要な役で出ていたことに驚きました。大泉氏は「水曜どうでしょう」から見ており(と言っても、本放送ではなくDVDでの追っかけでしたが)、過去に一度だけですが芝居も観に行ったことがあります。「ファン」というほどではありませんが、好きな俳優です。その彼が突然画面に現れたときには、思わず笑ってしまいました。役柄についてあまり詳しく書くとネタバレにつながりそうなので書きませんが、普段わりと「いい人」役が多い彼にしては、癖のある役でしたが、なかなかの好演をしていたと思います。
しかし、正直残念なところも多かったですね。
まず、長いマンガをまとめたために、いまひとつ設定を理解できないところがあったこと。なんとかまとめようとしたのはわかるのですが、それってなんで?と思うところがありました。
また、日本映画によくある「クライマックスでセリフでいろいろ説明しちゃって、それをみんなおとなしく聞いてる」という演出が相変わらず出てきたところ。おいおい、この説明おとなしく聞いちゃうの?今、殺そうとしたんじゃないの?と思って、ちょっと白けます。
主人公と敵役しかいない町なのかと思ったら急に町人たちが出てきたり、魔法陣みたいなのがないと錬金術が使えないと言っていたのにクライマックスでは使ってないか?とか、気になるところも多かったのは事実です。が、観ているときは、そんなにそんなに気にせずに(ときには意識的に気にしないようにしたものもありましたが…)観られました。
ちなみに、原作を知っているひとはどういう感想を持ったのだろうと思って、ネットでレビューをいくつか読んでみたのですが…ケチョンケチョンでした。中には原作を読んでないけど最悪というレビューもありましたが、私は先に書いたように、それなりに楽しめました。
ま、機会があって時間があるようでしたら、どんなもんか観てみるのもいいかもしれません…
ところで、冒頭に貼り付けた予告編のサムネイル画像、なんと主人公がいません。主人公がジャニーズの子なため消されている模様…なんだかなぁ…