羊男のモンタージュ

写真と、ラグビーと、ニュージーランドと。

Daffodil Day

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今日はDaffodil Dayでした。Daffodil DayはThe Cancer Society of New Zealandが毎年この時期に行っているもので、ニュージーランド全土でThe Cancer Sosietyへの募金活動が行われ、募金した人には写真のDaffodil(水仙)が渡されます(日本の赤い羽根みたいなもんでしょうか)。

毎年、何気なく募金してきたのですが、今年あらためてThe Cancer Societyがやっていることを認識、自分にとってこの募金はやらなくてはならないものだという気がしました。

二年前、親友をがんでなくしたからです。

彼とは高校で出会いました。同じクラスで席も近く、クラブも同じラグビー部でした。後にバンドもはじめたりして、大学時代の一時期あまり合わない時期もありましたが、それ以外はよく会っていた、お互いにとって親友と呼べる存在でした。

私がニュージーランドに移住してからは、日本に一時帰国するたびに、お互いなんとか時間を作って会うようにしていました。

私と違ってよくもてていた彼は、私よりかなり早く結婚しました。、披露宴の司会は私と奥さんのお友達の二人でやらせてもらいました。その披露宴の余興で、新郎と司会の二人で歌うという、あまり他ではみないようなこともしました。(余談ですが、私は披露宴をやりませんでしたので、彼に司会を頼むことはありませんでした)

彼は白血病になったことがありましたが完治(と言っていいのかどうかわかりませんが、少なくとも私の認識では白血病は克服していました)。しかし、その後大腸がんが発覚。ただ調子が悪そうなところは見受けられたものの、一時帰国時に会ったりしていたので、大丈夫かと思っていました。

大腸がんがリンパに転移してしまったという知らせを受けたのは3年前の12月でした。本人からの「かなり致命的」という言葉にかなりうろたえました。

その後、彼の娘さんが短期留学を考えており、候補のひとつにニュージーランドがあるという連絡がありました。ニュージーランドの留学事情や情勢などについての説明をし、クライストチャーチに来るならフォローするのでまかせなさいという話をしました。そして、2年前の8月にクライストチャーチに2週間の短期留学に来ることが決まりました。

短い期間でしたが、週末にはクライストチャーチから日帰りで案内できるところをいろいろと案内してあげました。そして娘さんの滞在中、テカポに行った際にFaceTimeだったかLineのビデオ通話機能だかを使って彼と話をしました。スマホの小さな画面に写った彼は、薬のせいかやや目がとろんとした感じだったのですが、私には思ったよりも元気そうに見えました。大丈夫か?というような言葉をかけるよりも、娘さんは楽しく元気にやっているということを伝えようと、やたら楽しそうな様子を見せました。

「笑い過ぎだよ」

と、彼に言われのが忘れられません。

 

訃報を聞いたのは、娘さんが帰国してしばらくしてからでした。

さすがに帰れないと思っていたのですが、かみさんにも背中を押され、お通夜と告別式に合わせて一時帰国、飛行機の時間の関係もあって最後まではいられなかったのですが、なんとかお別れをすることはできました。

「ニュージーランドに来る時期によっては、オールブラックスの試合でも一緒に観に行こう」

なんてことを話したこともあったのですが、残念ながら実現することはできませんでした。

あと一週間ほどで彼の命日です。

心ばかりですが募金をし、もらったDaffodilを見ながら、そんなことを思い出した一日でした。